三度の離婚を経験した女性社長と三人の元夫が、娘や仕事を通じて不思議な距離感を保ちながら生きる会話劇。
関西テレビ・フジテレビ系『火曜21時』枠で放送。
『大豆田とわ子と三人の元夫』は、2021年に放送されたフジテレビ系ドラマです。脚本は坂元裕二さん。主人公は、バツ3で建設会社の社長を務める大豆田とわ子。すでに離婚している三人の元夫たちと、なぜか今でもゆるやかな関係を続けながら、仕事や子育て、人生の悩みへ向き合っていきます。
設定だけを見ると、少し変わったラブコメやホームドラマのように思えるかもしれません。しかし本作が描いているのは、『人生は思い通りにならない』という事実を受け入れながら、それでも前を向いて生きていく人たちの姿です。
とわ子は決して完璧な人間ではありません。仕事で失敗し、人間関係で傷つき、母親としても迷います。元夫たちも同じです。誰もが少し不器用で、どこか満たされていません。だからこそ、この物語には妙なリアリティがあります。
本作の大きな特徴は、『元夫』という存在の描き方です。
一般的なドラマでは、離婚は関係の終わりとして描かれがちです。しかし本作では、別れたからこそ生まれる関係が描かれています。
三人の元夫たちは、それぞれとわ子を理解している部分と、最後まで分かり合えなかった部分を持っています。だからこそ、今の距離だから話せることがあり、今だから見える優しさもあります。
人間関係は、恋人、夫婦、家族といった肩書きだけでは整理できません。誰かと過ごした時間そのものが消えるわけではなく、関係の形を変えながら残り続けることもあります。本作は、その複雑で曖昧なつながりをとても自然に描いています。
『大豆田とわ子と三人の元夫』には、分かりやすい成功も劇的な逆転もありません。
それでも、登場人物たちは食事をし、くだらない会話をし、時には誰かを思い出して笑います。そうした何気ない瞬間が、とても豊かに見えてきます。
本作を見ていると、人生は必ずしも理想通りでなくてもいいのかもしれないと思えてきます。結婚が続かなかったことも、失敗したことも、遠回りしたことも、その人の人生を否定する理由にはなりません。
脚本家・坂元裕二さんらしい会話は、どこか可笑しく、そして驚くほど切実です。その言葉の積み重ねによって、『大豆田とわ子と三人の元夫』は、失敗や後悔を抱えながら生きる人へ静かに寄り添う作品になっています。
見終わった後には、『ちゃんと幸せにならなければ』という力みが少し抜けて、今の自分の人生も悪くないのかもしれないと思わせてくれる、不思議な優しさが残るドラマです。
オリジナル脚本のテレビドラマです。
会話劇や、恋愛・家族・仕事を横断する大人の人間関係を楽しみたい人に向いています。
元夫たちとの関係や新たな出会いは重要ですが、主人公自身の人生と家族の物語も大きな軸です。
各話で人物ごとの出来事はありますが、関係性の変化が連続するため第1話から順に見るのがおすすめです。
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