片思いの女性のためにショコラティエを目指した青年が、恋愛への幻想と現実の間で揺れるラブストーリー。
フジテレビ系『月9』枠で放送。
『失恋ショコラティエ』は、2014年に放送されたフジテレビ系ドラマです。主人公は、チョコレート職人の小動爽太。高校時代から想い続けているサエコへの恋心をきっかけに、一流のショコラティエを目指し、自らの店を開くまでになります。
設定だけを見ると、夢へ向かって努力するサクセスストーリーにも見えます。しかし、本作の本質は仕事の成功ではありません。描かれているのは、人を好きになることの格好悪さと、報われない恋へ執着してしまう人間の弱さです。
爽太は、サエコを理想化しています。少し優しくされれば期待し、何気ない言葉へ大きな意味を見いだし、自分の都合の良いように解釈してしまいます。その姿は客観的に見るとかなり不器用で、時に痛々しくさえあります。
しかし、多くの視聴者が彼へ共感したのは、誰もが一度は似た感情を経験したことがあるからではないでしょうか。
本作で印象的なのは、恋愛を非常に主観的なものとして描いていることです。
爽太が見ているサエコと、周囲から見えているサエコは必ずしも同じ人物ではありません。恋をすると、人は相手そのものを見るよりも、『こうあってほしい』という理想を重ねてしまうことがあります。
だからこそ、恋愛にはすれ違いが生まれます。相手を理解しているつもりでも、本当は自分の願望を投影しているだけなのかもしれません。
また、本作には片思いだけではなく、さまざまな形の報われない感情が描かれています。誰かを好きになることと、その人に選ばれることは全く別の話です。その切なさが、多くの登場人物へ共通して流れています。
『失恋ショコラティエ』では、恋愛が美しく理想化されていません。
嫉妬、期待、執着、独占欲、見栄。人を好きになると、普段は隠している感情まで表へ出てきます。爽太も決して完璧な主人公ではなく、むしろ恋をすることで弱さや未熟さを何度も露呈します。
しかし、それこそが本作の魅力です。恋愛は、人を立派な人間へ変えてくれるだけではありません。自分でも知らなかった感情を見せつけ、自分がどれだけ不器用な存在なのかを教えてくれます。
そして、その格好悪さまで含めて、人を好きになることなのだと本作は静かに肯定しています。
『失恋ショコラティエ』は、甘い恋愛ドラマではありません。報われない恋へしがみついてしまう人間の弱さを、ときに可笑しく、ときに痛々しく描いた作品です。見終わった後には、過去の恋で格好悪かった自分のことまで、少しだけ愛おしく思えてくるドラマになっています。
水城せとなの漫画を原作とするテレビドラマです。
ショコラティエを目指す主人公の片思いと、周囲の恋愛模様を描くラブストーリーです。
主人公の片思いを中心に、複数の人物の恋愛感情が交差する作品です。
恋愛関係と主人公の成長が連続して進むため、第1話から順に見るのがおすすめです。
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